バフェットからの最後の手紙|尊敬する彼から学ぶこと

ウォーレン・バフェットは世界で最も裕福な資産家の一人であり、また最も優れた投資家の一人でもあります。
私は彼の投資に対する哲学やスタンスを心の底から尊敬していますし、これまで数々の注目すべき発言についても敬意をもって触れてきました。

彼がバークシャー・ハサウェイのCEOを2025年いっぱいで退くと決めたことを、私は尊重しています。どれほど偉大な人物であっても、老いには勝てないのです。
退くべきときに退くという決断もまた、彼らしい誠実さの表れなのだと思います。

彼から株主に宛てた最後の書簡は2025年11月10日に公表されました。
幸いなことにその日本語訳がnoteで公開されていましたので、今回はその内容を読んで、私が感じたことをまとめてみたいと思います。

まず印象的だったのは、今回の書簡について、ほとんどの文量を周囲の人々の紹介や、彼らに対する感謝の気持ちに費やしていることです。
私はそこに、バフェットという人物の本質が表れているように感じました。

彼は貪欲な守銭奴ではありません。
資産を築くことだけを目的に生きてきた人ではなく、人と向き合い、関係性を大切にしながら歩んできた人なのだと思います。
最後の書簡でなお、自らの功績を誇るのではなく、周囲の人々への謝意を前面に出していたことは、その何よりの証拠ではないでしょうか。

大きな資産を持てば持つほど、その周りには多くの人が集まります。当然その中には、善人だけでなく、悪意を持った者もいるでしょう。それでもなお、彼が最後まで家族とビジネスパートナーへの信頼と敬意を忘れなかったことには、大きな意味があると思います。

これは投資家としてのスタイル以前に、一人の人間として非常に大切な姿勢です。
築き上げた人脈や信頼関係もまた、立派な資産の一つです。
むしろ、お金以上に失ってはならないものなのかもしれません。
私はそのことを、この書簡を通して改めて考えさせられました。

また、後半には彼の投資哲学の一端もうかがうことができました。
人格が成熟していく人生の後半に、過去の過ちを受け入れたうえで、それでもなお人間としても投資家としても成長を目指し続ける。
その前向きな姿勢は、誰もが見習うべきだと思います。

年齢を重ねると、人はどうしても「もう今さら変われない」と考えがちです。
しかしバフェットは、いくつになっても改善の余地があることを、自らの姿勢で示してくれました。
改善するのに遅すぎるということはない。
その言葉は投資だけでなく、生き方そのものにも通じているように思います。

投資とは、単にお金を増やすための技術ではなく、何を信じ、どう振る舞うかが問われる営みなのだと、私は改めて感じました。
優れた投資判断の裏には、数字だけでは測れない人格や姿勢があるのだと思います。

残念ながら、バフェットは自身の投資哲学や経歴について、一切の自著を持ちません。
毎回の株主総会で発行していた株主に対する手紙だけが、彼が執筆した唯一の公式な文書です。
そこには、単なる投資判断だけではなく、彼が何を大切にして生き、経営し、資本を配分してきたのかがにじみ出ています。
私たちは、その断片を通して彼の言葉を受け取り、少しずつ学んでいくしかありません。

米国株であるKO(コカコーラ)は、私がバフェットのPFを参考に買い付けた最初の銘柄です。
それは単に有名銘柄だったからではなく、彼が長年にわたって保有し続けてきたことに、大きな説得力を感じたからです。
短期的な材料や思惑ではなく、長く持つに値すると信じられる企業を選ぶ。
その考え方に触れたことが、私自身の投資の出発点の一つになりました。

彼の研ぎ澄まされた投資哲学を、私はこれからも見習い、お手本にしていきたいと思っています。
各所に点在する様々な情報源から、彼の言動を少しずつ拾い集め、そこから少しでも何かを学ぶことができれば、それだけでも十分にありがたいことです。

これからも私はバフェットのような素晴らしい投資家を目指して投資を続けていこうと思います。
もちろん、同じ人物になることはできません。
しかし、物事を誠実に見つめ、過ちを受け入れ、改善を重ね、信じた企業に長く向き合う姿勢は、少しでも近づいていきたいと思えるものです。

願わくば、その尊敬の気持ちが、これからの自らの投資活動を支える一助になることを信じています。

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