3月18日(水・米国時間)/日本時間では3月19日未明に、FOMCの結果が公表されます。
その影響を受けて、リスク回避のため、現時点でダウ平均株価は軟調に推移しています。
また、同日3/19(木)には日銀の金融政策決定会合と植田総裁会見も控えているため、日経平均先物も同様に大きく下落しています。
金融関係者の間ではそれだけ大きなイベントだと認識されているFOMCですが、ニュースに疎い投資初心者からしたら「FOMCってなに?」「FRBってどういう機関?」という疑問が湧くかもしれません。
そこで今回は、よく使われる用語の意味の確認を中心に、株価がそれらからどのように影響を受けるのか、おさらいしてみたいと思います。
FOMCは「Federal Open Market Committee」の略称で、日本語に直すと「連邦公開市場委員会」となります。FRBが開催する、米国の金融政策の一つである公開市場操作(国債購入などを通じて金融機関の資金の需給を調整すること)の方針を決定する委員会のことで、約6週間ごとに年8回、さらに必要に応じて随時実施されます。
委員会の構成は総裁・副総裁を含む最大7名の常任理事(欠員あり)と、12の地区連邦銀行総裁のうち5名による投票で政策を決定します。その5名の内訳としては、NY連邦銀行の総裁は常にFOMC副議長となる一方、他4名は持ち回り制となっており、投票権を持たない残り7名の地区連邦銀行総裁については、議論に参加するだけとなります。
年8回の定例会合の後には必ず、FRB議長による声明文の発表と会見が開かれます。
また、うち4回の会合で参加メンバー(投票権に関わらず議論に参加した全員)による今後数年間の年末時点での経済成長率・失業率・物価・政策金利水準の見通しであるSEP(四半期経済予測)が発表されます。
今回の26年3月度のFOMCはこのSEPの発表があるため、より注目度が高いです。
また、議事要旨は政策決定日(FOMC開催最終日)の3週間後に公表されます。
FRBは「The Federal Reserve Board」の略称で、日本語に直すと「連邦準備制度理事会」となります。これは日本で例えると日本銀行に相当する実質的な中央銀行であり、米国内の各銀行を統べる最高意思決定機関です。
FRBの役割は、12ある連邦準備銀行の統括と雇用の最大化、物価の安定を目指して、さまざまな金融政策を実施することです。組織は任期14年の理事7名で構成され、その中から任期4年で議長と副議長が任命されます。FRBのワシントン本部にいる理事7名は、大統領が指名し、上院が承認します。
なお細かいことを言うと、FRBは銀行ではなく理事会なので、実際の金融政策の実施は各地区の連邦準備銀行が行います。日本銀行が金融政策決定から実施までの全てを執り行う日本とは異なり、地方分権の思想が色濃く出た制度設計になっています。
FRSは「Federal Reserve System」の略称で、日本語に直すと「連邦準備制度」となります。
これは米国の中央銀行の制度そのものを指しており、それを実際に運用する組織がFRBとなっています。
FOMCで投資家が注目すべき発言は、ずばり政策金利への言及です。
政策金利は毎回のFOMCで注目すべき最も重要なポイントとなります。
物価上昇が続き、インフレ圧力が強まった場合、FOMCは利上げを実施します。金利が上昇すると、企業や個人が借入れを控えるようになり、経済活動が抑制されることになるため、インフレを抑え、経済の過剰な成長を防ぐことが目的です。
利上げが行われると、企業の資金調達コストが増加するため、基本的に株式市場には重荷となります。
一方、景気が低迷し、経済活動を刺激する必要がある場合、FOMCは利下げを行います。金利が低下すると、企業や個人が資金を借りやすくなり、投資や消費が活発化するため、経済成長を促進することが目的です。
利下げが行われると、資金調達が容易になり経済活動が活性化するため、基本的に株式市場には追い風となります。
もっとも、FOMCは政策金利の決定については慎重な姿勢を示すことが多く、金利を据え置くことは珍しくありません。
この場合、政策金利の決定は市場へ大きな影響を与えません。FOMCの穏便な姿勢を織り込み済みとして、元の地合いに戻ることが多いです。
また、今回のFOMCに限って言えば、原油価格高騰をはじめとしたイラン情勢へ対する姿勢の表明も期待されるところです。
アメリカやイランを取り巻く状況が景気や物価に与える影響を極めて不透明とし、そのリスクに言及することによって、市場の不安が拡大し、株価が下落することも想定されます。
このように、FOMCは株式市場だけでなく世界経済全体に極めて大きな影響を与えるイベントです。主要先進国である米国経済の影響は日本に住んでいる我々の生活にも当然波及しますので、投資に関するニュースとして考えるだけでなく、重要な時事問題として捉え、注意を払っていく必要があると思います。


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