FOMCは、金融市場でたびたび注目される重要なイベントの一つです。
ニュースや相場解説の中で目にする機会は多い一方で、投資を始めたばかりの方にとっては、「FOMCとは何か」「FRBとはどのような役割を持つ機関なのか」が分かりにくいこともあるかもしれません。
実際、FOMCの結果やそこで示される今後の金融政策の見通しは、米国株だけでなく、日本株や為替相場にも影響を与えることがあります。
そのため、相場の動きを理解するうえでは、FOMCやFRBといった基本用語の意味を押さえておくことが大切です。
そこで今回は、FOMCやFRBの基本的な役割を確認したうえで、それらが株価や市場全体にどのような影響を与えうるのかを、初心者向けに整理していきます。
参考:Federal Reserve「Federal Open Market Committee」
※本記事は、投資に関する知識整理や筆者個人の考察を目的としたものです。特定の銘柄や金融商品の売買をすすめるものではありません。
投資には価格変動などのリスクがあるため、最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
「FOMC」について
FOMCは「Federal Open Market Committee」の略称で、日本語に直すと「連邦公開市場委員会」となります。FRBが開催する、米国の金融政策の一つである公開市場操作(国債購入などを通じて金融機関の資金の需給を調整すること)の方針を決定する委員会のことで、約6週間ごとに年8回、さらに必要に応じて随時実施されます。
出典:Federal Reserve「Federal Open Market Committee」
委員会の構成は議長・副議長を含む最大7名の理事(欠員あり)と、12の地区連邦準備銀行総裁のうち5名による投票で政策を決定します。その5名の内訳としては、ニューヨーク連邦準備銀行の総裁は常にFOMC副議長となる一方、他4名は持ち回り制となっており、投票権を持たない残り7名の地区連邦準備銀行総裁については、議論に参加するだけとなります。
出典:Federal Reserve「Structure of the FOMC」
年8回の定例会合の後には、FOMC声明文が公表され、FRB議長による記者会見が行われます。
うち4回の会合では、参加メンバーによる経済成長率・失業率・物価・政策金利水準の見通しであるSEP(Summary of Economic Projections)が公表されます。
また、議事要旨は政策決定日(FOMC開催最終日)の3週間後に公表されます。
出典:Federal Reserve「Meeting calendars and information」
「FRB」について
FRBは「The Federal Reserve Board」の略称で、日本語に直すと「連邦準備制度理事会」となります。これは米国の中央銀行制度における理事会であり、12の連邦準備銀行を監督する立場にあります。日本で例えると、日本銀行に近い役割を担う組織と考えると分かりやすいです。
FRBの役割は、12ある連邦準備銀行の統括と雇用の最大化、物価の安定を目指して、さまざまな金融政策を実施することです。組織は任期14年の理事7名で構成され、その中から任期4年で議長と副議長が任命されます。FRBのワシントン本部にいる理事7名は、大統領が指名し、上院が承認します。
なお細かいことを言うと、FRBは銀行ではなく理事会なので、実際の金融政策の実施は各地区の連邦準備銀行が行います。日本銀行が金融政策決定から実施までの全てを執り行う日本とは異なり、地方分権の思想が色濃く出た制度設計になっています。
参考:Federal Reserve「The Fed Explained – Who We Are」、日本銀行「金融政策の概要」
「FRS」について
FRSは「Federal Reserve System」の略称で、日本語に直すと「連邦準備制度」となります。
これは米国の中央銀行の制度そのものを指しており、それを実際に運用する組織がFRBとなっています。
出典:Federal Reserve「The Fed Explained – Who We Are」
注目すべきポイント
FOMCで投資家が注目すべき発言は、ずばり政策金利への言及です。
政策金利は毎回のFOMCで注目すべき最も重要なポイントとなります。
物価上昇が続き、インフレ圧力が強まった場合、FOMCは利上げを実施します。金利が上昇すると、企業や個人が借入れを控えるようになり、経済活動が抑制されることになるため、インフレを抑え、経済の過剰な成長を防ぐことが目的です。
利上げが行われると、企業の資金調達コストが増加するため、基本的に株式市場には重荷となります。
一方、景気が低迷し、経済活動を刺激する必要がある場合、FOMCは利下げを行います。金利が低下すると、企業や個人が資金を借りやすくなり、投資や消費が活発化するため、経済成長を促進することが目的です。
利下げが行われると、資金調達が容易になり経済活動が活性化するため、基本的に株式市場には追い風となります。
もっとも、FOMCは政策金利の決定については慎重な姿勢を示すことが多く、金利を据え置くことは珍しくありません。
この場合、利上げや利下げそのものによる直接的なインパクトは限定的になりやすいです。
ただし、声明文やSEP、FRB議長の会見で示される今後の金融政策の見通しによっては、据え置きであっても株式市場や為替市場が大きく反応することがあります。
参考:Federal Reserve「Federal Open Market Committee」
まとめ
このように、FOMCは株式市場だけでなく世界経済全体に極めて大きな影響を与えるイベントです。主要先進国である米国経済の影響は日本に住んでいる我々の生活にも当然波及しますので、投資に関するニュースとして考えるだけでなく、重要な時事問題として捉え、注意を払っていく必要があると思います。
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