信用取引で勝てる人には、ある程度共通した性格があるのだと思います。
そして結論から言うと、自分はその真逆でした。
値動きに振り回され、不要な売買を繰り返し、損を取り返そうとしてさらにレバレッジを上げる。
今振り返れば、典型的に信用取引に向いていない人間の動きを、自分はかなり忠実になぞっていたように思います。
信用取引はうまく使えば便利な手段です。
ただその一方で、知識や理屈だけでは乗り切れず、その人の性格や感情の癖が、想像以上にはっきり結果に表れます。
今回は、信用取引の基本を整理したうえで、実際に自分が経験した失敗も交えながら、現物取引との違い、信用取引に向いている人・いない人の特徴についてまとめます。
信用取引とは何か?
信用取引とは、資金効率を高められる一方で、損失も拡大しやすい取引手法です。
証券会社から資金や株式を借りて売買を行う仕組みで、手元資金の範囲を超えた取引ができます。
そのため、相場が思惑通りに動けば、現物取引よりも大きな利益を狙いやすくなります。
また、買いから入るだけでなく、株を借りて売る「空売り」ができるのも特徴です。
下落局面でも利益を狙えるため、使い方によっては戦略の幅が広がります。
ただし、利益を大きくできるということは、損失も同じように大きくなりやすいということです。
相場が逆に動いたときには、現物取引よりも資金の減り方が速くなり、状況によっては追証や強制決済につながることもあります。
つまり信用取引は、単なる便利な取引手段ではありません。
利益を拡大できる可能性がある一方で、自分の判断ミスや感情の乱れまで増幅しやすい、扱いの難しい仕組みだと思います。
経験から学んだ現物取引との性質の違い
信用取引と現物取引の最大の違いは、値動きがそのまま精神的な圧力として跳ね返ってくることです。
現物取引であれば、一時的に下がったとしても、買った理由が崩れていなければ比較的落ち着いて保有しやすい面があります。
もちろん含み損はつらいものですが、時間を味方につけやすいぶん、冷静さを保ちやすいのが現物の強みです。
一方で信用取引は、少しの値動きでも損益が広がりやすく、心理的な圧が一気に強くなります。
自分の場合は、それに完全に飲まれました。
値動きに惑わされて、本来なら触らなくてよかった場面でも売買を繰り返し、結果として無駄な取引を増やしてしまいました。
さらに悪かったのは、損失が出たあとの動きです。
いったん離れて頭を冷やせばよかったのに、そのときは「ここで取り返したい」という気持ちが先に立ち、レバレッジをどんどん引き上げてしまいました。
損をしたから焦る。焦るから無駄な売買が増える。売買が増えるから判断が雑になる。信用取引では、この悪循環が現物よりずっと速く進みます。
しかも、自分が取引していたのは仮想通貨でした。
仮想通貨は特にボラティリティが大きく、短時間で損益が大きく動くため、株式の取引に比べてより冷静さを失いやすい環境だったと思います。
ただ、その反面、追証が発生する前にポジションが自動的に精算される仕組みだったため、損失が元手の範囲に収まり、致命傷になるほどの大損は避けられました。
これは不幸中の幸いでしたが、別の仕組みだったらもっと深い損失になっていた可能性は十分あったはずです。
そうやって何度も損を重ねるうちに、ようやく自分の中でひとつの結論が固まりました。
それは、知識が足りなかったというより、自分の性格そのものが信用取引に向いていなかったということです。
値動きに強く反応し、損失を受けると取り返したくなる。そのようにすぐに熱くなってしまう性格と信用取引は、想像以上に相性が悪いのだと実感しました。
どんな人が信用取引に向いているのか
信用取引に向いているのは、感情よりもルールを優先できる人です。
まず向いているのは、損切りを機械的に実行できる人だと思います。
相場が逆に動いたときでも感情に流されず、あらかじめ決めたルール通りに動ける人でなければ、信用取引のスピードにはついていきにくいはずです。
また、短期売買の目標設定が明確な人も向いています。
「この材料で何日以内にどう動くかを見る」「この価格を割ったら撤退する」といったように、入口だけでなく出口まで最初から決めている人は、余計な迷いを減らしやすくなります。
信用取引は、曖昧な期待や願望で持ち続けるほど苦しくなりやすい取引です。
さらに、日々の値動きに対して冷静でいられる人も適性があります。
一時的な逆行や含み損で過剰に反応せず、本当に必要な場面だけで判断できる人は、信用取引のリスクを比較的コントロールしやすいと思います。
逆に、向いていないのは自分のように値動きに敏感で、感情的になり、振り回されやすい人です。
少し下がると不安になり、少し上がると欲が出て、損失が出ると取り返したくなる。
こうした反応は人間として自然ですが、信用取引ではその自然さがそのまま弱点になります。
特に危ないのは、損失をきっかけにロットを上げたくなるタイプです。
一発で取り返したいという発想は、信用取引と非常に相性が悪いと思います。
また、長期保有を前提に企業の成長を待ちたい人も、現物取引の方が合いやすいでしょう。
投資初心者向けのアドバイス
投資初心者が最初に身につけるべきなのは、レバレッジの使い方ではなく、自分の感情の癖を知ることです。
これから投資を始める人には、まず現物取引から入ることをおすすめします。
なぜなら、最初に身につけるべきなのはレバレッジの使い方ではなく、自分が値動きにどう反応する人間なのかを知ることだからです。
自分は信用取引をやってみたことで、逆に「自分には向いていない」ということがはっきり分かりました。
その失敗から得たノウハウが現物取引にも活きているという点では、自分の経験に無駄はなかったと思いますが、だからといって、初心者の人に同じ遠回りを勧めたいわけではありません。
初心者のうちはまず現物取引から入り、買ったあとにどれだけ冷静でいられるか、含み損にどう反応するか、売買ルールを守れるかを確かめる方が、はるかに健全だと思います。
信用取引は、現物取引で基礎を作ってからでも遅くありません。
むしろ、そうした基礎がないままいきなり信用取引に入ると、相場を学ぶ前に感情に振り回され、大損だけが残ってしまう可能性があります。
それはとてももったいないことだと思います。
どうしても信用取引を試したい場合でも、最初は勝つためではなく、自分に適性があるかを確かめるために使うくらいで十分です。
大切なのは、大きく勝てるかどうかではなく、負けたときに自分が壊れない範囲でやることだと思います。
まとめ
信用取引で大切なのは、できるかどうかではなく、自分の性格に合っているかどうかです。
信用取引は、使い方によっては有効な手段です。
ただし、それは誰にでも向いているということではありません。
実際にやってみて分かったのは、信用取引では知識や理屈だけでなく、性格や感情の動きまで、そのまま結果に表れやすいということです。
自分は、値動きに惑わされやすく、損失を取り返そうとして無理をしやすいタイプでした。
つまり、信用取引に向いている人とは真逆だったのだと思います。
だからこそ今は、無理に資金効率を追うよりも、自分の性格に合った現物取引を中心に続ける方が、結果的に長く相場に残れると考えています。
信用取引ができるかどうかではなく、自分に合っているかどうか。
投資で長く生き残ることを考えるなら、それを見極めることがとても大切です。

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