FOMCと日銀の政策決定を受けて|今後の地合いと取るべき対応

日本時間の3月19日(木)、FOMCと日銀からそれぞれ金融政策と今後の見通しが公表されました。それを受けて、株式市場は大きく動いています。
今回は上記の内容をまとめつつ、今後の地合いの予想と取るべき対応を考えてみたいと思います。

FOMCの結果について

今回のFOMCでは、政策金利は 3.50〜3.75%で据え置き となりました。
パウエル議長は金利見通しについて確信を持っているわけではないとした上で、次回の会合までに何が起きるか分からないため、現時点では先行きを推測したくないとの慎重な姿勢を示しました。

また、併せて公表された経済予測では、2026年の実質GDP成長率は2.4%、失業率は4.4%、インフレ率は2.7%が中心値となっていました。成長率は底堅い一方、インフレ率は依然としてやや高めに意識されている印象です。

経済の見通しについてパウエル議長は、指標は経済活動が堅調なペースで拡大していることを示しているとの認識を示しました。その一方で、個人消費や設備投資は底堅いものの、住宅市場は弱さが残るなど、強弱が混在する内容でした。
FRBは今のところ景気の急失速をメインシナリオにはしていないものの、インフレ鈍化の進み方に対しては慎重な姿勢を崩していないように見えます。

さらに今回は中東情勢にも言及があり、パウエル議長はエネルギー価格上昇がインフレに与える影響を注視している一方で、その影響の大きさや長さについてはまだ分からないとし、先行きの不透明さを示しました。
つまり、FRBとしても地政学リスクが物価と景気の両面にどう波及するかを慎重に見ている段階だと受け取れます。

日銀政策決定会合の結果について

今回の金融政策決定会合では、政策金利の 現状維持 が決定されました。
採決は賛成8、反対1で、日銀は急いで方向を変えるのではなく、状況を見極めながら判断していく姿勢を示した形です。

植田総裁は、今後の利上げについては経済や物価情勢を踏まえ、毎回の会合で判断するとの考えを示しました。その一方で、現在の実質金利は依然として極めて低い水準にあり、経済・物価見通しが実現していくのであれば、引き続き政策金利を引き上げていく方針も維持しています。
つまり、今回は据え置きとはいえ、利上げ路線そのものを取り下げたわけではなく、今後の状況次第で追加対応を続ける姿勢が改めて確認されたと言えそうです。

経済と物価の見通しについては、見通し実現の確度が少し低下したとし、リスクシナリオが高まっていることを認めました。一方、日本経済は一部に弱めの動きも見られるものの、全体としては徐々に回復しているとの認識を維持しています。
また、賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムは維持されているとされ、基調的な物価上昇率も今後徐々に高まっていくと予想されています。ただし、今回の会合では上昇リスクを指摘する委員が多数だったことも示されており、日銀内でも物価の上振れに対する警戒がやや強まっている印象を受けます。

今回の会合で特に印象的だったのは、為替や原油価格への警戒感です。
植田総裁は、為替変動が国内物価に与える影響が過去より強くなっているとした上で、今後も注視していく考えを示しました。さらに、足元で大きく上昇している原油価格についても、インフレ期待を高める要因として、基調物価への影響に留意する必要があると言及しました。
加えて、中東情勢の緊迫化による国際金融資本市場の不安定な動きも注視するとしており、日銀としても外部環境の変化を強く意識していることが伺えます。

今後の取り組みとしては、当面は春闘における賃上げ状況や企業の値上げの動きを丁寧に点検していく方針が示されました。また、基調物価をより正確に把握するため、今後はコア指標を拡充して公表する考えや、自然利子率の再推計を検討する考えにも触れています。
このように金融政策の判断材料をより精緻にしようという姿勢が見える一方で、政府との意見交換も今後緊密に続けていくとしており、政策運営は引き続き慎重かつ柔軟に進められていきそうです。


FOMCと日銀政策決定会合はいずれも大きなイベントでしたが、今回の内容を見る限り、どちらも足元の経済や物価に一定の底堅さを認めつつ、先行きに対しては慎重な姿勢を崩していないように見えます。
そのため、短期的にはイベント通過による安心感があっても、地合いが全面的に強気へ傾くとはまだ言い切れないように思われます。
そのため、一番実現する可能性が高いシナリオとしては、世界的な情勢が不安定なままジリジリと株価が下落していく、軟調トレンドの地合いの継続が考えられるでしょう。

ただ、地合い要因で売られている銘柄の中には、タイミングが合えば拾っていけるものもあると考えています。
私自身は、相場全体の不安定さには引き続き警戒しつつ、高速(7504)や因幡電機産業(9934)のような、将来性と安定性の両面が期待できる銘柄を注視し、無理のない範囲で少しずつ買い進めていきたいと思っています。

このような大きなイベントの前後には、どうしても感情が先走り、何か動きたくなるものです。
しかし本当に重要なのは、イベントの結果を受けて大きく変動する相場に一喜一憂するのではなく、そういった変化のうねりの中でも普段と変わらず、自分のルールを守って動けるかどうかだと思います。

非常事態にこそ、投資家としてのメンタルや平常心が試されます。自分の中にある評価軸を見失わず、これからも慎重に行動していきたいと思います。

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