日経平均先物が1000円戻した理由とは|トランプ演説後に想定しうる2つのシナリオ

日本時間の4月3日未明、日経平均先物が大きく戻しています。
ただ、この動きを見て「もう安心だ」と考えるのは、まだ早いかもしれません。

私がいま想定しているのは、次のような流れです。

演説によって相場がある程度下がる可能性そのものは、市場も事前に織り込んでいた。
しかし、実際の内容は想像以上に強硬な姿勢で、一時的に失望売りが勝った。
そして翌日になって、初動のショック売りがいったん一巡し、市場が少し冷静さを取り戻してポジションを戻し始めた。

いまのところ、この見方がいちばんしっくりきています。

演説前から、下落リスクそのものは意識されていた

まず前提として、今回の演説前に市場が完全に楽観していたとは思っていません。

むしろ投資家たちは、
「内容が穏やかなら戻るかもしれない」
「逆に強硬なら大きく下がるかもしれない」
というように、複数の可能性を意識していたはずです。

つまり、“演説の内容次第で相場は下がる”ということ自体は、ある程度みんな分かっていたということです。

ここが大事で、今回の急落は「誰も警戒していなかった完全な不意打ち」ではなかったと思います。

市場が織り込めなかったのは、内容の強さだった

ただし、下がる可能性を意識していたことと、実際の内容を完全に織り込めていたことは別です。

市場はたしかに警戒していた。
でも、その警戒の中にはまだ「そこまで極端な内容にはならないかもしれない」という期待も残っていたはずです。

ところが、残念ながら実際の演説はその期待を打ち消す方向に働きました。
その結果、市場では次のような反応が重なったと考えています。

  • 事態の早期収束への期待がしぼんだ
  • 思っていたより強硬な姿勢だという印象が広がった
  • 安心して持てる地合いではないと判断する売りが出た

こうした流れで、失望売りが一気に優勢になったのではないかと見ています。

要するに、
下落リスクは織り込み済みだったが、演説の内容の強さはその想定の範囲をやや超えていた
ということです。

翌日の1000円戻しは「安心感」ではなく「冷静化」

では、その翌日に先物が1000円戻したのはなぜか。
ここを私は、安心感が戻ったからではなく、初動のショック売りが一巡したからだと考えています。

相場は、大きな悪材料が出た直後ほど反応が大きくなりやすいものです。
特に先物は短期資金が多く動くので、最初は勢いよく売られ、そのあとに空売りの買い戻しやポジション調整で大きく反発することがあります。

今回の戻りも、そうした動きとして見るのが自然です。

つまり、

悪材料が消えたから上がったのではなく、売られすぎた分がいったん修正された

という見方です。

この違いはかなり重要だと思います。

まだ安心できないと考えている理由

私自身は、いまの段階ではまだ安心感は戻っていないと見ています。

なぜなら、今回の下げの原因になった不安材料そのものであるイラン情勢そのものが、まだ完全には解決していないからです。
市場が少し落ち着いたように見えても、根っこの問題が片付いたわけではありません。

だから今後もし、

  • さらに強い悪材料が出る
  • 地政学リスクがもう一段悪化する
  • 原油や為替、米株が再びリスクオフ方向に動く

といったことが起きれば、相場はまたガクンと下がる可能性があります。

今の戻りは、地合いの完全回復というより、
パニックの第一波が少し落ち着いただけ
と見ておいたほうが無理がないと思います。

ここから先に考えられる2つのシナリオ

ここから先の相場は、大きく分けて2つの流れが考えられます。

1. 悪材料が増えず、徐々に落ち着きを取り戻すパターン

ひとつは、これ以上大きな悪材料が出ず、市場が少しずつ落ち着きを取り戻していくパターンです。
この場合は、今回の急落がいったん下げ過ぎとなり、先物も段階的に値を戻していく可能性があります。

ただ、その場合でも一直線に回復するとは限りません。
まだ投資家心理は弱っているので、一度上がっても戻り売りが出やすく、不安定な上下の波を繰り返しながらの回復になるはずです。

2. 新たな悪材料が出て、戻しが一時的に終わるパターン

もうひとつは、今後さらに悪材料が出て、今回の戻しが一時的な反発で終わるパターンです。
この場合、1000円戻したこと自体は単なる自律反発でしかなく、再び大きく下を試す展開も十分ありえます。

私としては、現時点ではまだこちらの可能性もかなり残っていると思っています。

まとめ

今回の相場を自分なりに整理すると、
市場は演説による一定程度の下落リスクそのものは事前に意識していたものの、実際の内容は想像以上に強硬で、残っていた楽観がはく落し、失望売りが優勢になった。
そして翌日の戻りは、安心感の回復というより、ショック売りがいったん一巡したことによる買い戻しやポジション調整として見るのが自然だと思っています。

この見方に立つと、演説直後の急落と翌日の反発をひとつながりで理解しやすくなります。
ただし、現時点ではまだ相場が完全に落ち着いたとは言えません。

いまは回復局面というより、不安定な相場がいったん反発している段階と見ておくほうが妥当でしょう。
そのため、今後また新たな悪材料が出れば、相場が再び大きく崩れる可能性は十分あると考えています。
だからこそ、足元の戻りをそのまま安心材料と受け取るのではなく、慎重に今後の推移を見ていきたいところです。

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