一攫千金は可能か?宝くじの期待値を徹底検証

「もし宝くじで1億円当たったら…。」

誰もが一度はそんな夢を見たことがあるのではないでしょうか。

実際に高額当選者は存在しますし、テレビやインターネットで当選者の話題を目にすることもあります。
しかし、その一方で「宝くじは期待値が低い」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。

では、本当に宝くじで一攫千金を狙うことは合理的なのでしょうか。

今回は「期待値」という考え方を使って、宝くじがどれほど当たりやすいのか、そして資産形成の手段として適しているのかを検証してみます。

一攫千金は本当に可能なのか?

宝くじには数億円が手に入るという夢があります。

たとえば年末ジャンボでは1等・前後賞を合わせると10億円を超える賞金になることもあり、「人生が変わる金額」が用意されています。

もちろん、高額当選者は実際に存在します。

しかし重要なのは、「誰かが当たる」という事実と、「自分が当たる可能性」は全く別だということです。

例えば、年末ジャンボ宝くじの1等が当たる確率は約2,000万分の1。

これは雷に打たれる確率よりも低いといわれるほど、非常に小さな数字です。

夢は確かにありますが、その夢を実現できる人はごくわずかしかいません。

宝くじの期待値を計算してみる

投資の世界では「期待値」という考え方をよく使います。

期待値とは、「何度も同じことを繰り返したとき、平均してどれくらい戻ってくるか」を表す数値です。

日本の宝くじは種類によって多少異なりますが、販売金額のうち賞金として還元される割合はおよそ45~47%程度です。

なぜなら法律上、宝くじの当選金総額は発売総額の50%を超えることができないからです。

参考:e-Gov「当せん金付証票法

つまり300円の宝くじを大量に購入した場合、平均すると戻ってくる金額は約135円になります。

残りは販売経費や公共事業などに使われるため、理論上は購入した時点で平均的には損をする仕組みになっています。

もちろん、実際には当選・落選があるため1枚ごとの結果は大きく異なります。

しかし何万枚、何十万枚と購入した場合の平均を考えると、期待値は購入金額を大きく下回ります。

高額当選の確率を実際に見てみる

代表的な高額当選くじについて、1枚または1口あたりの1等当選確率を比較すると、下記の通りです。

種類1等の当せん確率パーセント換算
年末ジャンボ2,000万分の10.000005%
ロト6609万6,454分の1約0.0000164%
ロト71,029万5,472分の1約0.00000971%
BIG478万2,969分の1約0.0000209%

参考:宝くじ公式サイト

最も当たりやすいBIGであっても、その確率は約478万分の1です。
パーセントに直すと約0.0000209%にすぎず、「比較的当たりやすい」という表現がほとんど意味を持たないほど、いずれも極めて低い確率であることが分かります。

人生で起こりうる他の確率とも比較してみましょう。

事象発生確率の目安
1年の間に雷に打たれる約122万分の1
商業飛行機に乗って死亡事故が起きる約475万分の1
サイコロで指定した数字を9回連続で出す1,007万7,696分の1
コインを24回投げて全て表が出る1,677万7,216分の1
同じラウンドでホールインワンを2回出す約6,700万分の1


参考:米国国立気象庁「How Dangerous is Lightning?」、IATA「IATA Annual Safety Report Executive Summary

飛行機で死亡事故が起きる確率と、BIGの1等が当選する確率が大体同じです。

こうして数字で見ると、宝くじで1等を当てることがどれほど難しいか、よく分かると思います。

宝くじは投資なのか?

結論から言えば、宝くじは投資というより娯楽に近い商品です。

株式投資の場合、企業が利益を生み続ければ株価の上昇や配当金という形でリターンを得られる可能性があります。

もちろん株価は下落することもありますが、世界経済の成長とともに長期的なリターンが期待できるという特徴があります。

一方、宝くじは購入した瞬間から期待値が購入金額を下回っています。

つまり、長期間買い続ければ買い続けるほど、平均的には資金が減っていく計算になります。

資産形成という観点では、宝くじよりも長期・分散投資の方が合理的だと言えるでしょう。

それでも宝くじを買う価値はある?

ここまで読むと、「じゃあ宝くじは絶対に買うべきではない」と思うかもしれません。

しかし、私はそうは思いません。

宝くじには「夢を買う」という楽しさがあります。

当選発表まで「もし当たったら何に使おう」と考える時間そのものに価値を感じる人も多いでしょう。

映画館で映画を見ることや、テーマパークで遊ぶことと同じように、娯楽として購入するのであれば十分に価値があります。

ただし、生活費を削って大量に購入したり、「いつか当たるはず」と考えて買い続けたりするのはおすすめできません。

期待値を理解した上で、無理のない範囲で楽しむことが大切です。

まとめ

宝くじには、一攫千金という大きな夢があります。

しかし、期待値という観点から見ると、平均的には購入金額の半分にも満たない金額しか戻ってきません。

資産形成を目的とするのであれば、長期的な成長が期待できる株式投資や投資信託の方が合理的な選択と言えるでしょう。

一方で、「夢を見るための娯楽」として考えれば、宝くじには十分な魅力があります。

大切なのは、夢と期待値を混同しないことです。

夢を楽しみながらも、お金を増やす目的では期待値の高い投資を選ぶ。

その考え方こそが、長期的な資産形成への近道ではないでしょうか。


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