投資を始めると、「できるだけ多くのお金を運用に回したほうがよいのではないか」と考えることがあります。
預金として置いておくだけでは大きく増えることはありません。一方、株式や投資信託で運用すれば、将来的に資産が増える可能性があります。
しかし、私たちの生活では、予定していなかった出費が突然発生することがあります。
私自身、以前、自宅の配管にわずか0.1mm程度の穴が開き、それが廊下全体を濡らすほどの水漏れにつながった経験があります。
修理費用そのものは数万円程度で済みましたが、マンションに住んでいるため、放置すれば階下への被害につながる可能性もあり、悠長に様子を見ることはできませんでした。
この経験を通じて、改めて実感したのが「生活防衛資金」の大切さです。
今回は、日常生活で起こりうる急な出費と、それに備えるために現金を持っておく意味について考えてみます。
日常生活では予想外の出費が突然発生する
毎月の家賃や住宅ローン、光熱費、通信費、食費などは、ある程度あらかじめ予測できます。
しかし、生活に必要なお金のすべてを事前に把握できるわけではありません。
たとえば、
- 冷蔵庫やエアコンなどの家電が突然故障する
- 自動車や自転車の修理が必要になる
- 冠婚葬祭などでまとまったお金が必要になる
- 病院を受診して医療費が発生する
- 水漏れや排水管のつまりなど、住宅設備の修理が必要になる
といった出費は、いつ発生するか分かりません。
特に困るのが、「今月はお金を使いたくないから来月まで待とう」と先延ばしにできない支出です。
冷蔵庫が壊れれば新しいものを用意する必要がありますし、水漏れが起きれば、そのまま放置するわけにもいきません。
このような出費に対応するためのお金をあらかじめ確保しておくことが、家計を安定させるうえでは重要です。
投資資産だけでは急な出費に対応しにくい
「急にお金が必要になったら、株や投資信託を売ればいい」と考えることもできます。
しかし、投資資産は必ずしも好きなタイミングで売却したい状態になっているとは限りません。
たとえば100万円を投資していたとしても、急な出費が必要になったタイミングで相場が下落し、評価額が80万円になっている可能性もあります。
本来であればそのまま保有しておきたい銘柄であっても、現金が必要だからという理由で売却しなければならなくなるかもしれません。
また、投資商品によっては、売却してから実際に現金として利用できるようになるまで時間がかかることもあります。
そのため、
「数年後、数十年後に使うためのお金」
と、
「明日必要になるかもしれないお金」
は、分けて考えたほうがよいでしょう。
投資は長期的な資産形成には役立ちますが、日常生活で突然発生する支払いへの備えとしては、やはり現金のほうが扱いやすい資産です。
現金の「生活防衛資金」を確保しておく
そこで重要になるのが「生活防衛資金」です。
生活防衛資金とは、病気や失業、急な修理費など、予想外の出来事が起きたときに生活を維持するためのお金です。
普段の生活費や投資資金とは別に、普通預金などですぐ使える状態にしておくことが基本になります。
投資をしていると、現金を持っていることを「運用できていないお金」と感じてしまうこともあります。
しかし、生活防衛資金の目的は資産を増やすことではありません。
必要なときに、すぐに、確実に使えることそのものに価値があります。
十分な現金があれば、突然出費が発生したとしても、慌てて株式や投資信託を売却する必要がありません。
言い換えれば、現金を持っておくことは、長期投資を続けるための土台でもあります。
実際に経験した配管の水漏れ
私自身、生活防衛資金の重要性を強く実感した出来事があります。
それが、自宅の配管から発生した水漏れです。
当時はまだ配管を銅管から別の素材へ切り替える前で、床下を走っていた銅管に、0.1mm程度の非常に小さな穴が開きました。
穴そのものは本当に小さなものでした。
しかし、そこから少しずつ漏れ続けた水によって、最終的には廊下全体が濡れるほどの水漏れにつながりました。
住宅設備のトラブルというと、「少し水が漏れているだけなら、少し様子を見てもいいのでは」と考えてしまうかもしれません。
しかし、私が住んでいるのはマンションです。
そのまま放置すれば、自宅の床だけではなく、階下の部屋にまで水が回ってしまう可能性があります。
そうなれば、自宅の修理費だけでは済まない問題に発展する可能性もあります。
そのため、このときは「来月まで待とう」「給料日まで様子を見よう」といった判断はできず、すぐに対応する必要がありました。
幸い、修理費用そのものは数万円程度で済みました。
とはいえ、まったく予定していなかったタイミングで突然発生した数万円の支出です。
このとき、生活防衛資金の大切さを改めて実感しました。
もし手元に現金がなく、保有している株式や投資信託を売却しなければ修理費を払えない状態だったらどうでしょうか。
相場が下落しているタイミングだったとしても、「水漏れが直るまで株価が戻るのを待つ」というわけにはいきません。
まさに、生活防衛資金が必要になるのはこういう場面なのだと思います。
住宅設備のトラブルは「お金」と「対応先」の両方を備える
水漏れや排水管のつまりなど、住宅設備のトラブルは発生する時期を予測するのが難しいものです。
しかも、発生してから急いで修理業者を探すことになりがちです。
こうしたトラブルが起きたときに慌てないためには、修理費として使える現金を確保しておくだけでなく、自分が住んでいる地域でどのような業者が利用できるのかを事前に確認しておくことも一つの対策です。
たとえば神奈川県では、水漏れやつまりなど水回りのトラブルに対応している神奈川水道のような水道修理業者があります。この機会に、自分が住んでいる地域で利用できる業者をいくつか調べておくとよいでしょう。
また、たとえば水道修理業者を選ぶ際には、「その業者が水道局の指定工事店(指定給水装置工事事業者)であるかどうか」といったように、ある程度の前提知識に基づいて、とっさに判断しなければならないこともあります。
トラブルが発生してから一から調べ始めるのではなく、いざというときに何を基準に業者を選べばよいのかを知っておくという意味でも、事前の情報収集はより一層欠かせません。
お金を準備することだけでなく、「何かあったときにどう行動するか」を考えておくことも、生活防衛の一つといえるでしょう。
生活防衛資金はいくら必要?
では、生活防衛資金として具体的にいくら用意しておけばよいのでしょうか。
必要な金額は、人によって大きく異なります。
たとえば、
- 一人暮らしか、家族と暮らしているか
- 毎月の生活費はいくらか
- 持ち家か賃貸か
- 自動車を所有しているか
- 収入がどの程度安定しているか
などによって、必要な備えは変わります。
そのため、「全員が○万円持っていれば大丈夫」と単純に決めることはできません。
まずは、自分が毎月どのくらいのお金を使っているのかを把握し、そのうえで、
「突然まとまった出費が発生しても、生活に支障が出ない金額」
を考えてみるのがよいでしょう。
また、最初から大きな金額を用意する必要もありません。
まずは10万円、次に20万円というように少しずつ現金を積み上げ、そのうえで余裕資金を投資に回していく方法もあります。
大切なのは、投資額を最大化することではなく、投資を続けても日常生活が不安定にならない状態を作ることです。
現金と投資資産にはそれぞれ役割がある
現金と投資資産は、どちらか一方を選ぶものではありません。
それぞれ役割が異なります。
投資資産は、将来に向けて資産を育てるためのお金。
現金は、現在の生活を守るためのお金です。
現金だけを持っていれば、長期的な資産形成の機会を逃してしまう可能性があります。
一方で、手元のお金をすべて投資してしまえば、急な出費への対応が難しくなります。
だからこそ、
「生活を守る現金を確保したうえで、余裕資金を投資する」
という順番が重要になります。
現金は、投資に回せなかったお金ではありません。
投資資産を慌てて売らずに済むようにするための、いわばクッションのような役割を持っています。
まとめ|投資を続けるためにも現金を残しておこう
投資を始めると、できるだけ多くの資金を市場に置いておきたくなることがあります。
しかし、私たちは投資だけをして生活しているわけではありません。
家電が壊れたり、病院に行ったり、住宅設備の修理が必要になったりと、日常生活では予想していなかった支払いが突然発生します。
私自身、床下の配管にできたわずかな穴から廊下全体が濡れる水漏れを経験し、急な出費は本当に突然やってくるのだと実感しました。
そのようなときのために、すぐに利用できる現金を生活防衛資金として確保しておくことが大切です。
生活防衛資金があれば、急な出費のたびに投資資産を売却する必要もなくなります。
現金を持つことは、投資をしていないことではありません。
むしろ、安心して長期投資を続けるための準備の一つです。
資産形成を考えるときには、「どれだけ投資するか」だけではなく、「どれだけ現金を残しておくか」についても、一度考えてみてはいかがでしょうか。
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